院長の松岡です。 ある雑誌に口臭の特集がありました。この梅雨の時期、特に気になる方も多いのではないかと思います。 以前から口臭の社会に及ぼす影響は大きな問題となっています。 実はピロリ菌陽性患者において口腔内要因と口臭に関連があると大分大学からの研究報告があります。 もちろん以前から指摘されている舌苔、歯周病、歯肉炎など口腔自体の問題が口臭の最大の原因と考えられていますが、口腔以外の問題であるピロリ菌感染も由々しき考慮すべき問題とのことです。ピロリ菌感染を評価した口腔内衛生状態の評価も大切となると思います。 ピロリ菌感染は胃潰瘍・十二指腸潰瘍だけではなく胃がんのリスク因子としても有名です。心配な方はお近くの消化器内科へご相談下さい。 <以前の口臭白書2019の記事>
実は、ピロリ菌に感染すると、 ピロリ菌が原因で口臭が強くなる場合があります。 ピロリ菌に感染して胃の調子が悪くなると、消化不良によって胃の中の内容物が発酵してしまいます。そのときに生じる 発酵臭 が口臭を助長してしまうのです。 また、ピロリ菌は胃の中で生き延びるために アンモニア を発生させます。アンモニアはとても強烈な臭いを放つ気体ですので、そのニオイが胃から食道を通り、口腔内に到達することでさらに口臭が強くなることもあります。 ピロリ菌でおならが増える!?
9% という結果が出ました。 さらに、2008年に報告された調査では、早期胃がんを治療したのちに新しい胃がんが発生した人の割合を調べたところ、 ピロリ菌を除菌することで、新しい胃がんができる確率が約3分の1にまで下がった という結果が報告されています。 このように、ピロリ菌と胃がんはとても密接に関係しています。もちろん、がん予防のためには食事や運動をはじめとする生活習慣の改善も重要事項ではありますが、胃がん予防のためにピロリ菌を除菌することは特に有効であると考えられています。 おかしいなと思ったら病院を受診しましょう 胃痛や食欲の減退のほか、口臭やおならなど、ピロリ菌による症状は生活に支障が出るものも少なくありません。 ピロリ菌は大人になってから症状が出る細菌です。「そういえばなかなか胃炎が治らない」「何度も胃の病気を繰り返してしまう」など、気になる症状がある方は、念のため病院でピロリ菌の検査をしてもらうことをおすすめします。 この記事に関連する記事
2021. 3. 3 主治医が見つかる診療所 テレ東の長寿番組「主治医が見つかる診療所」(木曜夜7時58分から)は、今話題の健康法から、いざというときの医師・病院選びのコツまで、医療に関するさまざまな情報をお届けする知的エンターテイメントバラエティ。 今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」で取り上げるのは、歯のメンテナンスはしているのに家族に口臭があると指摘されてしまったという男性からの相談です。考えられる原因は何か、さっそくレギュラー医師として同番組に出演中の森一博先生にお聞きしましょう!